小さい子どもに正座をさせていると、将来足が短くなるとか、背が伸びないなど、悪い影響が出ると言われたりしますよね。
確かに、大人でも長時間正座をすると、しびれがきれたり、痛みが生じたり、何となく足に悪そうに感じます。
果たして事の真偽はどうなのでしょうか?
和室の文化がある日本で、床に座る時にはどのような形が良いのでしょうか?
今回は正座をはじめ、座り方に関しての情報を集めてみました。
子供に正座が悪影響だと言われる理由
正座の姿勢には、血流を留め、骨格を歪める要因になり、特に骨格が未完成な幼児~成長期完了時点までは、骨盤・膝の部分などに悪影響を与えやすいと言われています。
O脚やX脚になってしまうと、当然骨が湾曲している分だけ身長が伸びないという訳ですね。
しかし、全て正座のせいかと言えば違います。
そもそも、遺伝子的に日本人は頭が大きく足が短い人種です。
正座をしたことがなくても短足の人は居ますし、逆も同様です。
遺伝的要因と、環境要因の両方を考慮し、平均的な数値を取れば、正座の悪影響が少し見られるというだけのことのようです。
しびれない!正しい正座のやり方
正座には、正しい「形」があります。
正しい正座の形を作る時に守るべきポイントをまとめてみました。
- かかととかかとをくっつける
- 重心は中心~少し前方にかかるよう意識する
- 親指は重ねず、くっつける
- 骨盤を立てるようなイメージで、 背筋をのばす
以上のポイントをおさえて正座をしてみてください。
ただ座っているというよりは、下半身の筋肉を使って座っている、という感覚を感じられると思います。
長時間正座をしてもしびれにくいのも特徴です。
正しい正座のメリット
正しい姿勢で正座をすること、長時間にならないよう気をつけることで、正座にはメリットもあります。
足腰を鍛えるトレーニングになる
正座はひざ関節を最大屈曲する動作です。
テーブル&椅子の生活は、膝関節を大きく曲げることがないため、体に痛みがある方や妊婦さんなどには優しいと言えます。
しかし、股関節があまり大きく動かない、座る、立ち上がるといった動作より筋肉を使わない分、筋肉が衰える事につながります。
先述したように、正しい正座は下半身の筋肉を使います。
さらに、1日に何度も正座ー立つを繰り返す事により、無意識に足腰の筋肉を鍛えられるんですね。
骨盤・背骨の位置を矯正できる
正座をすることにより骨盤が正しい位置に納まります。
骨盤から伸びる背骨も正しいS字カーブを作れるようになります。
背骨がしっかり支えられるようになると、腰痛が改善されます。
あぐらや体育すわりなど…正座以外の座り方
正座は正しく行うとメリットがある事が分かりました。
では、正座以外の座り方はどうでしょうか。
それぞれメリットとデメリットをまとめてみました。
あぐら(胡坐)
あぐらは股関節が大きく開くので、股関節を柔らかくするのによい姿勢といえます。
背筋を伸ばし、左右均等に体重を乗せたあぐらは、ヨガなどの基本姿勢でもありますね。
あぐらは、楽に座れて一見負荷が少なそうに思えますが、無意識に上半身が前のめりとなってしまい、かなり腰に負担をかける座り方です。
骨盤が立たず腰椎が後方へ引き出されてしまっている状態なので、長時間あぐらをかくと腰痛を招きます。
体育座り
お山座りとも呼ばれたりする座り方です。
学校や幼稚園・保育園でおなじみの座り方ですが、お尻と足の2点で体重を支え、さらに手で足を抱える為、安定して座る事ができます。
そのままお尻を上げれば立つ事ができる為、すばやく次の動作にうつる事ができます。
猫背をさらに前倒した座り方になり、椎間板に負荷がかかりやすく、最も腰痛になりやすい座り方と言えます。
おなかを圧迫し、座骨への刺激もあるかなり不自然な姿勢ですので、長時間の無理な姿勢から肩こりも発症してしまいます。
長座
床に座る時に、足を前に伸ばし、背中をまっすぐにした座り方です。
足の骨格や膝の関節に負担がかからないだけではなく、心臓や肺への血液還流が妨げられず、心臓や肺への負担も減少する座り方です。
腰が反らないので、肩こりやストレートネックなどを予防できます。
体や股関節が柔らかい人でないと、股関節~太ももが緊張し、痛みが出てしまう事があります。
猫背の人が無理に長座しようとすると、腰・背中が丸くなり、腰痛を招きます。
女の子座り・ぺたん座り・あひる座り
いろいろな呼ばれ方がありますが、床にペタンと足の内側をつけて座る姿勢です。
上から見ると、足がM字になる座り方です。
正座でしびれてしまった時、女の子座りに崩すとしびれが軽減されます。
女性特有の骨盤の大きさからだからこそできる座り方です。
股関節の大腿骨を内側にねじり、さらに膝もねじって座るため、長時間続けると間接に痛みを感じてしまう可能性もあります。
この座り方が習慣になると、骨盤の下側が強く引っ張られることで、股関節が体重を支えられなくなり、骨盤の歪みにつながってしまいます。
横座り・お姉さん座り
お姉さん座りなどとも呼ばれる、正座の足を斜めに崩した座り方です。
足元を隠すことができます。
人間、無意識に同じ向きに足を崩してしまうもので、負荷をかける場所も同じとなり、骨盤のゆがみにつながります。
まとめ
正しい形で正座をする事が難しい小さい子どもさんは、正座は避けた方が良いという事が分かりました。
しかし、正しく正座できるようになると、メリットもたくさんある事が分かりましたね。
骨格の歪みや腰痛など、様々な不調の原因は同じ姿勢を長時間続けることです。
万遍なく色んな姿勢になることで、均等に筋肉が使われ、このような要因が除去されるんですね。
ちなみに立っている時よりも、座っている時の方が、上半身の体重が腰と骨盤に乗り、腰と骨盤を圧迫します。
どのような姿勢で座る時も、長時間同じ姿勢で座る事は避け、常に「骨盤を立てる」ことを意識して座りましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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