冬の間、まめに保湿をしておさまっていた皮膚疾患が、夏になると悪化し、保湿をしても湿疹がおさまらなくなってしまった…
という経験はないでしょうか。
同じように見える湿疹でも、季節によって必要なケア方法が違うことがあります。
効いていたものが効かなくなった時。
そんな時に試していただきたいのが亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)です。
その効能は幅広く、アトピーやニキビ、手湿疹やおむつかぶれなど、ジュクジュクした炎症に効果抜群。
そこで今回は、自分が実際に使用した口コミをふくめ、使用方法に少しコツがいる亜鉛華軟膏の塗り方・落とし方など、使用方法に関する情報をまとめてみました。
しつこい肌荒れに悩んでいる方の参考になれば幸いです!
亜鉛華軟膏とは
亜鉛華軟膏とは、“酸化亜鉛”を含む軟膏です。
この酸化亜鉛には、患部を保護し、炎症をやわらげる効果があります。
また、患部の浸出液を吸収し乾燥させる働きもあり、これらの作用により、皮膚の再生を助け傷の治りをよくします。
汁が出てジュクジュクした肌荒れに効果的です。
皮膚科でも、希望すれば処方してくれます。
白くて固めの軟膏で、ほぼ無臭です。
亜鉛華軟膏の効果【アトピー、あせも、おむつかぶれetc】
- アトピー性皮膚炎
- 掻き壊して グチュグチュした傷口
- あせも
- 軽い火傷
- 赤ちゃんのオムツかぶれ
- 大人の陰部のかぶれ
- 日光アレルギーなどの湿疹
- 頭皮の湿疹
- 赤ニキビ白ニキビ
- ニキビ跡
- 手荒れ
等々、亜鉛華軟膏の効能は多種多様です。
顔や陰部にまで幅広く使う事ができます。
塗り薬って、汁が出るほど荒れている部分に塗っても良いのかどうか悩んだりしませんか?
亜鉛華軟膏は、患部の乾燥を助けてくれるのが特徴で、ジュクジュクと浸出液が出ている時に効果抜群です。
具体的な効果は下記の通りです。
ニキビやニキビ跡を消す
寝る前にニキビやニキビ跡に亜鉛華軟膏をこんもりとのせ、小さく切った絆創膏かガーゼでカバーします。
即効性はありませんが、毎日続けていると、少しずつ消えていきます。
他の塗り薬と併用して効果アップ
すぐに炎症を抑えたい時、すでに使っている軟膏がある時などは、その薬を塗った後に亜鉛華軟膏を塗ったガーゼでカバーします。
炎症を抑える効果が加わり、薬の効果がアップします。
顔から陰部まで アトピーのケア
アトピー症状には乾燥から水泡までオールマイティに使えます。
掻き壊してしまったグチュグチュした傷口には、寝る前に厚めにぬってガーゼで保護しましょう。
ゆるやかな消炎効果で、ステロイドを使いたくない方にはおすすめです。
広範囲のオイリーな湿疹のケア
顔全体的にオイリーで小さなニキビが広範囲にある時などは、夜のスキンケアの後、目の周りを避けて薄く全体的に塗り、軽くティッシュオフしてください。
消炎効果のあるオリブ油かホホバオイルなどと混ぜて顔全体に塗っても◎
亜鉛華軟膏の正しい使い方
テクスチャが固めで真っ白な亜鉛華軟膏。
扱うには少々コツが必要です。
亜鉛華軟膏は落とさない
亜鉛華軟膏は塗ると落としづらい軟膏です。
しかし、落とさない方が効果的なんです。
毎日亜鉛華軟膏をきれいに落としてしまうのではなく、清潔を保てる範囲で簡単に肌を洗い、少し保護膜を残した状態を保ち、新たな亜鉛華軟膏を追加するイメージで重ね塗りしていく方が効果が高くなります。
亜鉛華軟膏は「落とさない」のが効果的な使い方なんですね
ガーゼで保護
亜鉛華軟膏は塗ると真っ白になります。
肌になじませると言うより、肌にのせるという感じす。
ニキビなどには塩釜焼のように厚塗りすると良いようです。
よって、こんもり塗った亜鉛華軟膏が服やシーツや枕等につかないよう、ガーゼで保護しましょう。
オイルやワセリンと混ぜて塗る
テクスチャが固い亜鉛華軟膏を、広範囲に使いたい時には、オイルやワセリンと混ぜ、亜鉛華軟膏をのばして(ゆるめて)塗る方法が便利です。
服や布団など、まわりにつくのを防ぐ為、汚れても良い下着などでカバーしてください。
亜鉛華軟膏の落とし方
塗りっぱなしが効果的とは言え、顔に塗った場合、外出の際はオフしたいところ。
しかし、亜鉛華軟膏は普通に洗っただけでは落ちません。
オイルクレンジング
夜に顔などに塗って翌朝落としたい時は、オイルクレンジングで優しく拭き取りましょう。
オイルを亜鉛華軟膏になじませると落としやすくなります。
オイルは化粧を落とすためのクレンジングオイルでも良いですが、ホホバオイルやオリブオイル等、肌に優しく刺激が少ないキャリアオイルでも◎
日本薬局方のオリブ油は価格も良心的でおすすめです。
実際に使った上での口コミ
私が初めて亜鉛華軟膏というものを知り、購入して使っていたのは、5年ほど前です。
うちの次女が2歳の時、左足の膝の裏の虫刺されを掻き壊し、とびひになり、それからというもののその箇所だけがやたらと荒れるようになりました。
素人目で見ると、アトピーのように見え、ジュクジュクとしてただれている時もありました。
皮膚科にも行き、塗り薬(ステロイド)をもらって塗ると落ち着きましたが、塗るのをやめると湿疹が再発。
ネットや本で調べたところ、「皮膚のバリア機能を正常な状態に戻す必要があるからとにかく保湿をせよ」という基本的な対処方法に辿り着き、水とグリセリンを混ぜたものを塗布した上からホホバオイルで蓋をするという保湿方法で、念入りにケアするようにしました。
すると、 皮膚のバリア機能が戻ったのか、薬を塗らなくても湿疹が出なくなり、一安心。
しかし、翌年の夏、落ち着いていたと思っていたところにまた湿疹が出てきました。
しかも今回はいくら保湿しても一向に治る気配がないのです。
状況に焦り、対処方法を調べまくったところ、たどり着いたのが亜鉛華軟膏でした。
お風呂上りに患部にのせるように塗布し、上からガーゼで保護すること数日。
ステロイドではないので目に見える効果は緩やかではありましたが、日を追うごとに確実に湿疹が治っていき、夏が終わる頃には跡形もなく消えていました。
しかも、亜鉛華軟膏を塗るのをやめても湿疹がぶり返すことも無くなり、元の健康な皮膚の状態に戻ったのです。
冬になっても、湿疹が出る事はありませんでした。
それ以降数年が経ちますが、今は保湿すらしていません。
思えば、年齢が上がると共に皮膚も丈夫になってきたという事もあると思います。
しかし、その時に思ったのは、
「皮膚科で処方されたステロイドの軟膏よりAmazonで買った亜鉛華軟膏のほうが良いではないか!」
という事です。
私にとっては目からうろこの出来事でした。
亜鉛華軟膏を使いやすくするアイテム
効果は万能ながら、塗りにくく落としにくいと使い勝手がイマイチな亜鉛華軟膏。
少しでも使いやすくする為に併用したいアイテムを全てご紹介します。
日本薬局方 オリブ油 100mL
亜鉛華軟膏と混ぜてテクスチャをゆるめ、使用感を良くしたり、亜鉛華軟膏をオフしたりするのにおすすめです。
亜鉛華軟膏の拭き取りに使う時は、コットンに含ませて亜鉛華軟膏を塗った部分にのせ、しばらくなじませてオフしましょう。
お化粧のクレンジングや、マッサージなど、スキンケアにも◎
大洋製薬 ワセリンHGチューブ100G
亜鉛華軟膏と混ぜてテクスチャをゆるくし、広範囲に塗りやすくする事ができます。
リップクリーム代わりにしたり、保湿の最後に使うと水分の蒸発を防いでくれます。
ワセリンそのものには保水効果が無いので、化粧水をつけた後にご使用ください。
白十字 FC ガーゼ 10m
30cmの幅で10m。
大容量のガーゼです。
必要な長さにカットし、スキンケアやお掃除に惜しみなく使えます。
肉や魚にをガーゼでくるみ、味噌床を塗って味噌漬けにしたりとお料理にまで、幅広く使えます。
ニチバン 低刺激巻ばんそう膏 スキナゲート
ガーゼをとめる時などに使う、低刺激でかぶれにくいプラスティックテープ。
就寝中の口呼吸防止に使う用途も。
亜鉛華軟膏の副作用・デメリット
患部周辺の肌も乾燥する
亜鉛華軟膏を塗る時に、どうしても患部周辺にもついてしまうので、周りの肌にも負担がかかってしまいます。
目の周りなど皮膚の薄い部分にはあまりつかないように注意しましょう。
とにかく扱いにくい
テクスチャが固く、とにかく取り扱いにくいのが亜鉛華軟膏のデメリットです。
- 落としづらい
- 爪の間に入る
- 周りにつく
副作用は特にありませんが、ひどい火傷や広範囲にわたる火傷は悪化する可能性がある為使用を控えましょう。
酸化亜鉛配合の市販薬
亜鉛華軟膏の主成分である、酸化亜鉛を配合した市販薬をご紹介します。
かゆみをおさえたり、保湿するための有効成分も配合された市販薬です。
ネットショップだと、実店舗より安く買えるのでおすすめです◎
ポリベビー
亜鉛華軟膏の使用感を良くしたバージョン、「ポリベビー」。
亜鉛華軟膏の固くて扱いにくいテクスチャを解消し、滑らかな軟膏にした塗り薬です。
チューブなので使いやすいのも良ポイント◎
子どもさんに使用する場合などはこちらを使ってみても良いですね。
タクトホワイトL
局所麻酔成分のリドカイン、血管収縮作用によってかゆみを緩和するdl-メチルエフェドリン塩酸塩配合。
ひどいかゆみに対して効果を発揮します。
フェノール亜鉛華リニメント
患部を保護し炎症をやわらげる酸化亜鉛に、防腐、消毒、鎮痒作用のあるフェノールを配合した塗り薬です。
終わりに
世間ではあまり知られていない軟膏薬、亜鉛華軟膏についてまとめてみました。
しつこい湿疹を治したいけれどステロイドを使いたくない時、今まで調子よく使っていた薬が効かなくなった時にぜひ試していただきたいお薬です。
お肌の悩み解決の参考になれば幸いです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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